概要
平成29年7月より、北海道がんセンター・がんゲノム医療センターでは、一人一人のがん患者さんに最も適した治療薬の情報を提供するために、「がん遺伝子外来」を開設し、受託解析にて、複数のがん遺伝子を調べる検査を導入致します。本外来では、自費診療にて、研究ではなく医療サービスとして網羅的ながん遺伝子検査を実施します。
「がん遺伝子外来」では、がんゲノム医療センターの医師が、まず「がん遺伝子検査」の目的や意義について説明します。患者さんが検査の実施に同意された場合には、提出していただく病理組織検体の手続きと採血を行います。この遺伝子検査システムは、がんゲノム医療センター長の西原医師が北海道大学病院にて開発したクラーク検査に基づきながら、米国病理学会が承認した国際臨床検査成績評価プログラム(CAP)を取得した検査センターを有する「株式会社ジェネティックラボ」と、バイオメディカルインフォマティクスにおいて国内最高レベルの技術とシステムを有する「三菱スペース・ソフトウエア株式会社」との共同開発により、受託解析として実施するものであり、プレシジョン検査(PleSSision; Pathologists edited,Mitsubishi Space Software supervised clinical sequence system for personalized medicine)と名付けられた国内検査です。北海道がんセンターでは、得られた検査結果はすべての診療科の医師が集まるCancer Board(カンファレンス)に提示され、推奨される治療法について遺伝子解析担当医を含む総勢50名以上の医師及び専門スタッフの意見を聞きます。その検討結果は、検査同意から約3週間後の外来にて患者さんにご説明します。さらに、北海道がんセンターでは、治験への紹介だけではなく、自費診療を選択される患者さんに対しても、チーム医療体制を構築することで、患者さんによりきめ細かな医療サービスを提供することを目指しています。
『北海道がんセンター 記者会見の実施について(ご案内) 』(207KB)
『「網羅的がん遺伝子解析:プレシジョン検査」の開始について』(176KB)