• 学会・論文情報

可変型遺伝子トラップ法によるマウスゲノム解析

~第64回日本癌学会学術総会・日本人類遺伝学会第50回大会にて発表~

当社は、国立大学法人熊本大学発生医学研究センターの山村研一教授(当社非常勤取締役)らが、開発した『可変型遺伝子トラップ法』により作製した遺伝子破壊マウスのライブラリーを蓄積し、そこから得られる生体における遺伝子情報を製薬企業や研究機関等に提供しております。 当社がこれまで可変型遺伝子トラップ法によるマウスゲノム解析を進めてきたなかで得られたデータを用いて、山村研一教授らが以下の学会で発表しましたのでお知らせ致します。

 ◆第64回日本癌学会学術総会 (平成17年9月14日~9月16日 札幌にて開催) 9月14日:『可変型遺伝子トラップ法によるマウスゲノム解析』についてワークショップにて発表。 (概要)遺伝子破壊マウスは、がん研究を含む生命科学の研究において、非常に強力な研究手段となっており、EUでは遺伝子トラップ法によるさらなる網羅的遺伝子破壊のプロジェクトの開始が決定しております。遺伝子トラップ法を用いることにより相同組換え法では発見できないゲノム機能が見い出される等の可能性や、大規模実施の必要性と高効率性について発表されました。

 9月15日:『可変型遺伝子トラップ法における高効率の遺伝子置換システム』について発表。 (概要)可変型遺伝子トラップ法は、単に遺伝子の機能を停止させるだけではなく、レポーター遺伝子を任意に他の遺伝子に置換できることが特徴のひとつであります。 この置換は、9割以上の高効率で起こるという研究結果が示され、遺伝子機能の詳細な研究やモデルマウスの作製において、マウスの遺伝子をヒト型に変換するなど効率的な置換が可能であることが発表されました。

 ◆日本人類遺伝学会第50回大会(平成17年9月20日~9月22日 倉敷にて開催)9月20日:『ヒト疾患モデルの大規模作製』について発表。 (概要)トランスジェニックマウスやノックアウトマウスが、遺伝子機能の解析だけでなく、ヒト疾患モデルの作製とそれを用いた病因・病態解析に大きな威力を発揮することが示されております。可変型遺伝子トラップ法を用いて作製された遺伝子破壊マウスのなかには、ただちにヒト疾患モデルとして活用できるマウスも得られているという研究成果が発表されました。

 引き続き学会発表を行ってまいり、当社技術に関する認知度を高め、今後の事業展開に役立てていきたいと考えております。

以上