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独立行政法人産業技術総合研究所との共同研究契約締結に関するお知らせ

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2014年6月19日
会員マーク
会 社 名   株式会社トランスジェニック      
代表者名  代表取締役社長 福永 健司    
(コード番号 2342東証マザーズ)
問合せ先  取締役 経営企画室長 船橋 泰
(電話番号 03-6693-9571)
独立行政法人産業技術総合研究所との共同研究契約締結に関するお知らせ
 株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、熊本県熊本市)は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研)(理事長:中鉢良治、東京都千代田区)と、「うつ病をはじめとする精神疾患の診断マーカーの測定系の構築に関する研究」について共同研究契約を締結することに合意いたしましたので、お知らせいたします。

 このたびの共同研究は、産総研 健康工学研究部門 バイオインターフェース研究グループ 小島正己グループ長の研究グループらが取り組むうつ病をはじめとする精神疾患の新しい血中診断マーカー候補、つまり、脳由来神経栄養因子(BDNF)サブタイプに関して、弊社の有するGANP®マウス技術を用いた特異的モノクローナル抗体の樹立をはじめとして、その血中濃度の測定系構築を行い、診断に向けた実用化を目指すものです。

 うつ病患者数は約96万人(厚生労働省「患者調査」2011年)であり、さらに増加が認められております。そのうち長期間に渡ってうつ病が続く「難治性うつ病」は全体の約3割と報告とされています。本疾患については、早期の診断を行う事により、より適切な治療の選択が可能となることから、血中BDNFのサブタイプの測定系構築は新しい生物学的診断法を臨床現場に提供することを目指し、本開発研究により社会貢献できることが期待されます。なお、BDNFは前駆体タンパク質proBDNFから産生されることが知られており、細胞内外でproBDNFがプロセッシングされて成熟型のBDNFとなります。産総研 小島グループ長らの研究グループは、このプロセッシング障害や分泌障害とうつ病をはじめとする精神疾患の診断マーカーの測定系の開発を行い、新規治療に向けた創薬や診断法の確立への貢献を目指しています。

 本共同研究契約の2015年3月期連結業績への影響は軽微であり、業績予想に変更はありません。

◆ご参考
独立行政法人産業技術総合研究所(http://www.aist.go.jp/
産業技術総合研究所は日本の産業を支える環境・エネルギー、ライフサイエンス、情報通信・エレクトロニクス、ナノテクノロジー・材料・製造、計測・計量標準、地質という多様な6分野の研究を行う我が国最大級の公的研究機関です。 本部を東京及びつくばに置き、つくばセンターを除く全国8ヶ所にそれぞれ特徴ある研究を重点的に行う地域センターを配しています。総職員数は約 3,000名。その内2,000名以上の研究者が、組織・人材・制度を集積する「オープンイノベーションハブ」構想の基に、産業界、大学、行政との有機的 連携を行い、研究開発からイノベーションへと展開しています。

うつ病
うつ病とは、強い抑うつ気分とともに、意欲がでない、不眠など身体の不調が長期間継続し日常生活に支障を来してしまう疾患です。うつ病は、「環境要因」「性格傾向」「遺伝的要因などに誘発され、脳内の神経細胞の情報伝達に障害が生じて発症されると考えられています。治療法は「休養」、「薬物療法」、「精神療法・カウンセリング」があり、早期の診断による適切な治療法の選択が重要となってきます。

脳由来神経栄養因子BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)
神経細胞の分化、成熟、生存維持のほか、シナプス結合の可塑的調節や神経伝達物質放出促進など多様な生理作用を示す分泌性タンパク質で、近年精神疾患に関与する因子として精神疾患とBDNFの量的変動を関連づける報告がなされており、BDNFの精神疾患診断のバイオマーカーや治療薬の可能性が期待されています。

GANP®マウス技術
GANP (Germinal Center Associated Nuclear Protein)とは、熊本大学阪口薫雄教授らにより発見された遺伝子で、抗体を産生するB細胞で発現しています。
GANP®マウス技術とは、このGANP遺伝子を過剰に発現させたGANP®マウスを用いて抗体を作製する技術です。GANP®マウスで得られる抗体は、親和性や特異性の高いことが特徴で、診断薬や抗体医薬の開発への展開が可能です。

◆上記リリースに関連する当社製品・受託サービス情報
GANP®高親和性・高特異性モノクローナル抗体作製受託サービス

以上
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