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米国デルタジェン社ノックアウトマウスの全世界での独占販売契約締結のお知らせ

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2016年3月10日
会員マーク
会 社 名   株式会社トランスジェニック      
代表者名  代表取締役社長 福永 健司    
(コード番号 2342東証マザーズ)
問合せ先  取締役 経営企画室長 船橋 泰
(電話番号 03-6693-9571)
米国デルタジェン社ノックアウトマウスの全世界での独占販売契約締結のお知らせ
 株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡市)は、2016年3月10日にDeltagen, Inc (President and CEO:Robert J. Driscol, J.D.、米国カリフォルニア州 以下、デルタジェン社)との間で、デルタジェン社が有するノックアウトマウスに関して、全世界における独占販売契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。

 デルタジェン社は、Gタンパク質共役型受容体ファミリー(GPCR)など創薬ターゲットとなりうる可能性の高い遺伝子を中心に、約900系統ものノックアウトマウスを作製・保有しております。当社は、デルタジェン社と2007年3月5日にデルタジェン社の製品およびサービスに関して、日本・中国・韓国における代理店契約を締結し、営業展開してまいりました。このたびの全世界における独占販売契約の締結は、当社の遺伝子改変マウスのリーディングカンパニーとしての技術力・実績が評価され締結に至ったものです。デルタジェン社の有するノックアウトマウス群は、既に樹立されていることから、顧客への迅速な提供が可能でGPCR等の創薬ターゲットの有用な研究ツールとして高い需要が期待されます。

 この度のデルタジェン社との独占販売契約締結を契機として、今後、当社は、全世界における成長率7.1% 2020年には1.49億米ドルになると予測されているモデルマウス市場において、当社の病態可視化マウス等のモデルマウスラインナップTG Resource Bank® 約750系統およびデルタジェン社のノックアウトマウス約900系統と計約1650系統のモデルマウス群を取り揃え、遺伝子改変モデルマウス販売のリーディングカンパニーとして、全世界での販売強化を図ってまいります。また、当社グループのCRO事業との協業による売上拡大を図るとともに、将来的にはヒト化マウス事業の海外展開を目指してまいります。
 当社は、創薬研究における多様なニーズの充足とベネフィット向上を通じて一層貢献してまいります。

 なお、本契約締結による2016年3月期連結業績への影響はございません。しかしながら、中長期的な観点から業績拡大につなげてまいります。
 今後、公表すべき事項が発生しましたら、速やかにお知らせいたします。

捕捉説明
Deltagen 社が作製・保有するノックアウトマウス900系統(DeltaOne™)は、GPCR(Gタンパク質共役受容体)、イオンチャンネル、トランスポーター、 プロテアーゼ関連遺伝子などの創薬ターゲットとなりうる可能性の高い遺伝子が中心となっています。また、そのうち約750系統については、若年時の遺伝子発現情報、血液生化学、血液生理学、病理・組織学的、神経・行動学的情報、さらに生後10ヶ月齢での血液生化学、血液生理学、病理・組織学的情報等)を解析したデータを表現型情報としてデータベース化(DeltaBase®)し提供しております。このような詳細な表現型情報が伴うノックアウトマウス系統はあまり例がありません。
このことから、Deltagen社のDeltaOne™DeltaBase®は、遺伝子機能の解析はもちろんのこと、創薬ターゲット遺伝子の同定・バリデーション、創薬研究の効率化・迅速化に大変有用です。

◆ご参考
Deltagen, Inc(http://www.deltagen.com/index.html
設立;1997年
本社所在地;アメリカ合衆国 カリフォルニア州
President and CEO;Robert J. Driscoll, J.D.
事業内容;遺伝子破壊マウス、表現型解析データ

Gタンパク質共役型受容体(G Protein Coupled Receptor:GPCR)
GPCRとは、細胞膜上に存在する受容体で、細胞膜を7回貫通する構造を有するタンパク質です。細胞外からのシグナルを細胞内に伝達し、細胞内のセカンドメッセンジャーを活性化したり、阻害したりすることから、このGPCRの機能異常が多くの疾患の原因となることがわかってきています。これまでに開発されたくすりの多くがGPCRをターゲットとするもので、現在も創薬の重要標的分子として注目されています。

遺伝子改変マウス
遺伝子改変マウスには大きく分けて遺伝子破壊(ノックアウト)マウスと遺伝子導入(トランスジェニック、ノックイン)マウスがあります。ノックアウトマウスは、遺伝子の機能を破壊することによって、その遺伝子の機能を個体レベルで解析を可能とするものです。一方、遺伝子を導入するものとしては、目的遺伝子に任意の変異を入れるノックインマウス、または目的遺伝子を過剰にあるいは異所的に発現させるトランスジェニックマウスがあります。それぞれ研究目的に応じた遺伝子改変マウスを作製することにより、ゲノム解析技術により同定された遺伝子、変異の個体における機能解析、病態との関連の解明が可能となります。
さらに、近年ゲノム編集CRISPR/Cas9技術を用いてES細胞を用いずに作製することが可能となり、短期間、低コストでの遺伝子改変マウスにより研究が加速しています。

※当社サービス:遺伝子改変マウスを用いた個体レベルでの遺伝子解析トータルソリューション

以上
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